米国のドナルド・トランプ前大統領は17日(火)、バイデン大統領の子供であるハンター・バイデン氏とアシュリー・バイデン氏のシークレットサービス保護を即時撤回する決定を発表した。
この突然の発表は、トランプ氏のSNSプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」で行われ、広範な議論と憶測を引き起こした。
トランプ氏は「ハンター・バイデンは長年シークレットサービスの保護を受けており、アメリカの納税者に莫大な費用を負担させている。
それを今すぐに終わらせる」と述べた。
また、13人のエージェントに守られていたアシュリー・バイデンの警備も解除するよう命じた。
この決定は即時発効された。
同日、記者がトランプ氏にハンター・バイデンの警備について質問した際、トランプ氏は詳細を把握していないと述べつつ「調査する」と発言していた。
しかし、数時間後にはこの決定を発表した。
AP通信によると、米国の法律では前大統領とその配偶者は生涯にわたってシークレットサービスの保護を受ける権利がある。
しかし、16歳以上の子供への保護は通常、大統領の退任とともに終了する。
トランプ氏とバイデン氏は特別に延長措置を取っていたが、今回の突然の決定には安全上の懸念が指摘されている。
注目すべきは、トランプ氏が以前にも同様の措置を取ったことだ。
今年1月、トランプ氏はマイク・ポンペオ前国務長官、ブライアン・フック前イラン特使、ジョン・ボルトン前国家安全保障顧問の警備も解除している。
これらの人物は依然としてイランからの脅威にさらされていると米国の情報機関が評価していたが、バイデン政権が延長した保護をトランプ氏は即座に取り消した。
この決定について、一部では政府支出削減の方針に沿ったものだとする意見もあるが、トランプ氏とバイデン家の対立を背景に、政治的な動機があるのではないかという見方も強い。
ホワイトハウスやバイデン家は現時点でこの件に対する公式なコメントを出していない。
また、シークレットサービスも代替の保護措置について明らかにしていない。