ベルファストの失われた劇場の歴史が、ミニチュアモデルによって再び注目を集めている。
舞台美術デザイナーのスチュアート・マーシャルが作り上げた精巧な模型は、現在、アルスター大学で開催されている子ども向けフェスティバルの展示の一環として公開されている。
マーシャル氏がこのプロジェクトに着手したのは、パンデミックのロックダウン中のことだった。
最初に再現したのはグランド・オペラハウスだったが、そこから次々とベルファストにかつて存在した劇場の再建に夢中になったという。
最も歴史の古い劇場の一つ、1870年代に開館したアルハンブラは、初期には雑多な客層を相手にする騒がしい音楽ホールだった。
1936年には映画館へと業態を変更し、1959年に閉館するまで4度の火災に見舞われた。
シアター・ロイヤルは1700年代末に設立され、ベルファストの上流階級向けの劇場として栄えたが、何度も火災や取り壊しを経て再建された。
最終的にはダンスホール「ブーム・ブーム・ルーム」や商業施設へと変貌し、今では跡地にスターバックスが建っている。
1894年に開館したエンパイア・シアターもまた、20世紀半ばまでベルファストの文化を彩ったが、1960年代に取り壊され、その後百貨店に置き換えられ、最終的にはヴィクトリア・スクエアのショッピングモールとなった。
最も精密に作られた模型の一つは、1907年に開業したヒッポドロームだった。
マーシャル氏は、当時の新聞記事を参考にしながら、色彩や建築様式を推測しながら再現した。
1938年に開館したリッツは、2000人以上を収容できる巨大なシアターで、映画上映だけでなく、ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・ビートルズ、ビリー・コノリーなどの大物アーティストの公演も行われた。
しかし、1977年に隠された爆弾によって劇場内部が破壊され、その歴史に幕を閉じた。
マーシャル氏の精巧な模型によって、かつての劇場文化がよみがえり、ベルファストの栄華の一端を垣間見ることができる。