新進気鋭のアーティスト、デイヴィッド・クシュナーが精神的な苦痛を理由に、UKおよびヨーロッパツアーの残りの日程を全てキャンセルするという決断を下した。
世界的ヒット曲「Daylight」や「Miserable Man」で名を馳せた彼は、最近のニューカッスル公演中に涙ながらにファンに対し、「精神的に限界を感じている」と告白し、多くの人々の心を揺さぶった。
その数日後、彼はインスタグラムでツアー継続が不可能であることを正式に発表した。
クシュナーはロンドン、ダブリン、ブリュッセルなどでの公演を予定していたが、自身のメンタルヘルスを最優先にするために舞台を降りる決断を下した。
ニューカッスル公演では「もう精神的に持ちこたえられない」と観客に語り、涙を流しながら公演を途中で終了。
ファンからは心配の声が相次いだ。
彼の勇気ある告白には、多くのファンやメンタルヘルス支援団体が賛辞を送り、Anxiety UKは「彼の率直な発言が、精神的健康問題に対する偏見をなくす大きな一歩になる」とコメントした。
統計によると、18歳から24歳の若者の約34%が不安障害やうつ病を経験しており、この数値は過去20年間で大幅に増加している。
クシュナーのチームは、チケット保有者に対して払い戻しや振替公演の情報を近日中に発表するとしている。
彼自身も「ファンの支えが何よりも大きな力になっている」と感謝の意を示した。
2022年のTikTokでのバイラルヒットを皮切りに、一気にスターダムへと駆け上ったクシュナー。
しかし、急激な成功がもたらすプレッシャーにより、心の健康が犠牲になりがちな音楽業界の現実が浮き彫りになっている。
この状況を受け、今後音楽業界はアーティストのメンタルヘルスを守るために、どのようなサポート体制を整えていくべきなのかが問われている。