トランプ大統領とプーチン大統領の電話会談を前に、ウクライナ和平協議の進展について注目が集まっている。
トランプ大統領は「多くの要素がすでに合意されている」と主張し、真実のソーシャル(Truth Social)でプーチン大統領との会談予定を発表した。
彼は「今すぐ戦争を終わらせるべきだ」と強調し、週に2,500人の兵士が命を落としていることを指摘した。
しかし、和平交渉の進展には疑問の声も上がっている。
ウクライナのゼレンスキー大統領はプーチン大統領を非難し、「この提案はとっくに実施可能だった」と述べた。
さらに、米国のルビオ国務長官は、ジェッダでの会談では交渉の枠組みについて話し合われたものの、具体的な条件には至っていないと説明した。
モスクワでプーチン大統領と会談した米国特使スティーブ・ウィトコフも、和平合意の実現性について慎重な姿勢を見せた。
一方、ヨーロッパの指導者たちは、ロシアに対し真剣な和平の意思を示すよう求めている。
フランスのマクロン大統領は、ゼレンスキー大統領が停戦に前向きな姿勢を示したことを評価し、プーチン大統領にも応じるよう要求した。
英国のラミー外相も、ロシアが「全面的かつ無条件の停戦」に合意するよう強く求め、「欧米はロシアに対するさらなる圧力の手段を持っている」と警告した。
また、交渉の争点としてザポリージャ原子力発電所の扱いが注目されている。
この発電所はヨーロッパ最大の原子力施設であり、2022年からロシア軍の占領下にある。
トランプ大統領は、停戦交渉の中で「土地や発電所の管理について話し合う」と示唆しており、領土分割や重要インフラの所有権についての交渉が行われる可能性が指摘されている。
ホワイトハウスは「ウクライナ和平はかつてないほど近づいている」と楽観的な見解を示しているが、クレムリンは具体的な議題について言及を避けている。
プーチン大統領は停戦に前向きな姿勢を見せているものの、領土の確保やNATOの東欧不関与など厳しい条件を提示している。
昨年ウクライナが一時的に占領したクルスク地方の奪還をめぐる攻防も大きな対立点となっている。
最近、サウジアラビアで行われたウクライナとアメリカの交渉では、30日間の停戦案が提示され、ウクライナ側は受け入れる意向を示した。
しかし、ロシアがこれを受け入れるかどうかは不透明だ。
フランスのマクロン大統領と、カナダの新首相マーク・カーニーは会談し、ロシアに対して「明確な約束」を求めるとともに、ウクライナへの支援を継続することを確認した。
トランプとプーチンの電話会談を前に、国際社会は固唾をのんで見守っている。
この瞬間が本当の和平への第一歩となるのか、それとも再び交渉の行き詰まりを示すのか、今後の展開に注目が集まる。