メタ、元幹部の暴露本宣伝を緊急差し止め 米国裁判所が判断

ワールド・インサイト・ニュース - リアルタイム速報

米国で、フェイスブックの元グローバル公共政策ディレクターであるサラ・ウィン=ウィリアムズ氏の暴露本『Careless People』の宣伝と配布を一時的に差し止める緊急判決が下された。
彼女の著書にはフェイスブック内部の実態を痛烈に批判する内容が含まれており、出版後すぐに大きな注目を集めていたが、メタが動いた。
ウィン=ウィリアムズ氏は、フェイスブックの幹部が中国政府と密接に連携し、北京がコンテンツを検閲・管理できる仕組みを模索していたと告発。
これに対しメタは、「確かに中国市場進出を検討したことはあるが、最終的には実行しなかった」と弁明している。
アメリカ仲裁協会の裁定により、彼女は過去の批判的発言を撤回し、今後もフェイスブックに対する否定的な発言を控えるよう命じられた。
メタ側は「虚偽かつ名誉毀損の内容を含む本であり、出版されるべきではなかった」と主張している。

出版元のマクミラン社は、この判決に対して「言論の自由を守るため、著者の発言の権利を擁護する」と反論。
しかし、メタの法的措置により、ウィン=ウィリアムズ氏は書籍の宣伝活動への参加が事実上禁止された。
それにもかかわらず、『Careless People』はすでにAmazonのベストセラーランキングで6位にランクイン。
メタの対応は一時的な沈黙をもたらしたものの、著者が米国証券取引委員会(SEC)に提出した告発文書に基づくメタの不正疑惑は、依然として議論の的となっている。
今回のケースは、巨大テクノロジー企業が情報統制をどこまで推し進めるのかという重大な問題を提起している。
企業の影響力が言論の自由を抑圧する状況は、この先も続くのだろうか、それとも反発の波が拡大するのか。