北海道・知床半島沖で2022年4月に発生した観光船『KAZU 1』沈没事故を巡る損害賠償訴訟の第1回口頭弁論が13日、札幌地裁で開かれた。
この事故では乗客乗員26名が死亡または行方不明となった。
遺族らは、運航会社と社長の桂田精一被告に対し、約15億円の損害賠償を求めている。
一方、運航会社側は請求の棄却を主張している。
原告側によれば、桂田被告は「知床遊覧船」の安全統括管理者および運航管理者を兼任し、悪天候による出航中止基準を超える気象条件が予想されていたにも関わらず、出航を決断したと指摘している。
さらに、豊田徳幸船長(当時54歳、死亡)との共同不法行為に該当すると主張している。
事故調査の結果、悪化する天候により船が大きく揺れ、波がハッチを越えて機関室内に浸水し、最終的に沈没したことが判明した。
この訴訟は日本の海上安全対策を見直す重要な契機となっている。