米ニューヨーク・ポストが16日に報じたところによると、メタ(旧Facebook)CEOのマーク・ザッカーバーグ氏が、米政府による同社への反トラスト(独占禁止法)訴訟に関連し、和解金を300億ドルから4億5,000万ドルに引き下げるために、トランプ大統領に直接ロビー活動を行ったという。
これによりメタは295億5,000万ドルもの巨額を節約できる可能性がある。
報道によれば、ザッカーバーグ氏はトランプの大統領就任式に100万ドルを寄付する意向を示したほか、今年1月以降、少なくとも3回ホワイトハウスを訪問し、トランプ氏に反トラスト問題への介入を要請しているという。
これはメタが数年前にトランプ氏のアカウントを凍結して以降の大きな態度転換であり、同件に関する訴訟も今年2,500万ドルで和解に至っている。
ザッカーバーグ氏はこの間に他の富豪らと共にトランプ氏のイベントに出席するなど、関係修復を模索している模様だ。
問題の中心は、連邦取引委員会(FTC)が指摘する「買収か埋葬か」戦略にある。
メタはInstagramやWhatsAppといった競合他社を買収することで市場支配力を得たとされており、FTCはその代償として300億ドルの罰金と、最悪の場合はメタの企業分割も視野に入れている。
3月末のFTC議長アンドリュー・ファーガソン氏との電話会議において、ザッカーバーグ氏は和解金を4億5,000万ドルと提示したが、ファーガソン氏は最低でも180億ドルが必要であり、かつメタに反競争的行為を今後行わないという誓約を求めた。
これに対し、ザッカーバーグ氏は10億ドルに近い額まで引き上げたが、交渉は依然として合意に至っていない。
メタ側はTikTokやYouTubeなどとの競争が激化していると反論しており、自社が市場を独占しているとは認めていない。
これに対しFTCは、これら動画プラットフォームは異なる市場であり、直接的な競合ではないと主張している。
メタの広報担当者は、「我々は法廷で勝つ準備ができている」と述べており、今回の訴訟は同社にとって財務的損失のみならず、企業構造にも大きな影響を及ぼす可能性がある。