テスラおよびSpaceXの創業者イーロン・マスク氏が、再び世界を驚かせる予測を発表した。
今後20年以内に100万人規模の火星居住を実現し、自給自足可能な都市を建設するというのだ。
さらに、2029年には人類が初めて火星に足を踏み入れる歴史的瞬間が訪れる可能性があると語った。
ドイチェ・ヴェレの報道によれば、マスク氏は自身のSNS「X(旧Twitter)」で、SpaceXが2026年に火星へのミッションを計画しており、人型ロボット「オプティマス(Optimus)」をスターシップロケットで送る予定であると明かした。
計画が順調に進めば、2029年に有人着陸が実現する可能性があるが、より現実的な時期としては2031年を挙げている。
米上院議員テッド・クルーズ氏らとのインタビューでは、火星への移住が人類文明の継続に不可欠であると語った。
「火星に自給自足の都市を早急に建設する必要がある。
地球で何か大規模な災害が起きても、火星の住民が独立して生き延びられるようにするためだ」と述べた。
マスク氏は、火星都市の建設には地球の産業基盤を再構築する必要があり、まずは人類が生存可能な環境を確保するために、ガラスドームのような居住施設を建てることが最優先事項だと強調した。
彼のビジョンの中心となるのが、完全再使用可能な重ロケット「スターシップ」である。
このロケットは、NASAの「アルテミス計画」で人類を再び月に送り込む任務を担う予定であり、将来的には火星への移住にも使われるとされている。
しかしながら、SpaceXはスターシップの打ち上げと回収に成功した実績がまだなく、安全性と信頼性が依然として課題となっている。
また、米連邦航空局(FAA)による規制や、マスク氏と政府の関係性も、計画の進行に影響を与える可能性がある。
2024年11月にはロイター通信が、米大統領ドナルド・トランプ氏が「火星への着陸」を国家の優先事項に掲げる意向を示しており、2025年1月の就任演説で「火星に星条旗を立てる」と宣言する可能性があると報じた。
これはマスク氏の計画に政治的後押しをもたらす一方で、新たな不確実性も伴っている。
火星での発見について、マスク氏は現存する異星生命体を発見する可能性は低いとしつつも、古代の異星文明の痕跡や、地中に眠る微生物の存在は「十分あり得る」と語った。