ソフトバンク、65億ドルでAmpereを買収 孫正義「AI構想の完成へ」

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日本のソフトバンクグループは、米国の半導体企業「Ampere Computing」を65億ドル(約2兆1452億円)で買収すると発表した。
人工知能(AI)分野への進出を強化するこの動きは、ソフトバンクの創業者でCEOの孫正義氏による「AI時代の覇者」への布石と見られている。
CNBCによると、この買収は米投資会社カーライル・グループと米IT大手オラクルからAmpereの株式を取得するもので、取引完了は2025年下半期を予定している。
買収後もAmpereはカリフォルニア州サンタクララに本社を置き、独立した子会社として運営を継続する。
発表後、孫氏は個人声明で「超知能(ASI)を実現するためには、かつてない計算能力が必要だ」と述べ、Ampereの技術がソフトバンクのAIビジョンを加速させる鍵であると強調した。
Ampere Computingは、インテルで28年間勤務した経験を持つレニー・ジェームズ氏によって2017年に設立された。
同社はカスタム演算コアを構築する高性能CPUの開発に特化しており、アップルやクアルコムなどの大手企業を顧客に抱えている。

ジェームズCEOは声明で「ソフトバンクとそのテクノロジー企業群と協力できることを大変嬉しく思います。
AmpereOne高性能Armプロセッサの開発を通じて、AI業界の発展に貢献したい」とコメントした。
ロイター通信によれば、この買収はソフトバンクがAI領域で主導権を握るための戦略の一環である。
同社は現在、OpenAIおよびトランプ政権と連携し、「Stargate」と呼ばれるAIデータセンターの建設計画を進めている。
さらに、OpenAIとの合弁企業「Cristal」を設立し、日本企業向けのAIサービス提供を目指している。
日経新聞の報道によれば、Ampereの株式は現在カーライルが59.65%、オラクルが32.27%、英ARM関連企業が8.08%保有しており、ソフトバンクは子会社を通じてこれらすべての株式を取得する予定だ。
取引完了は2025年下半期とされている。