パナソニックとダイキン、省エネ性能で米国住宅市場に本格参入

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パナソニックやダイキン工業などの大手空調メーカーが、米国の住宅市場で省エネルギー性能の高い製品に注力している。
トランプ前大統領がパリ協定からの離脱を表明したものの、環境規制を強化する州も多く、省エネ技術を求める市場への対応が急がれる。
1月にラスベガスで開催されたCES(先端技術見本市)では、パナソニックホールディングスの楠見雄規社長が、高気密住宅向けの全館空調システム「OASYS(オアシス)」の販売開始を発表。
「経済的で健康的、そして快適なシステム」と強調した。
米国ではダクトを用いた全館空調が主流で、日本のルームエアコンは過去に販売されたものの、住宅の空調設備は居住者ではなく施工業者が選ぶという慣習のため、事業は縮小。
しかし、従来の全館空調は騒音や室温のムラといった問題を抱えている。
パナソニックは高効率エアコン、風量制御可能な換気扇、熱回収型換気装置を組み合わせた空調システムを開発。
家全体の温度と湿度を均一に保ち、静音性が高いのが特徴。
エネルギー効率も向上し、「従来の方式と比べ50%以上の省エネを実現」と担当者は語る。

ヒューストンにモデルハウスを建設し、住宅建設業者へのPRを強化。
2025年には200棟、2030年には2,000棟への導入を目標としている。
ダイキン工業も高効率空調の普及に注力。
2012年に米空調大手グッドマンを買収し、電圧・電流を細かく制御するインバーター技術を活用した住宅用空調を推進。
米国でのインバーター普及率は低く、成長余地が大きいとされる。
十河政則会長は「環境問題に積極的な州が増えており、州独自の規制も進むだろう。
我々の環境技術で貢献していきたい」と意欲を示した。
今後、日本の空調メーカーは、米国の省エネ規制の変化にどのように対応し、競争を勝ち抜いていくのか注目される。