世界が再び核の脅威にさらされる中、核兵器をなくすための国際会議が国連で開かれている。
それに合わせ、アメリカ・ニューヨークの国連本部前では「核兵器をなくそう」と訴えるデモが行われ、ノーベル平和賞を受賞した日本被団協をはじめ、核廃絶を目指す世界各国の団体や活動家約200人が集結した。
参加者たちは「ノーモアヒロシマ、ノーモアナガサキ」と声を上げながら行進し、核兵器の恐怖を二度と繰り返してはならないと強く訴えた。
この言葉は、1945年に広島と長崎に投下された原爆によって数十万人が犠牲となった悲劇を再び起こさないという願いが込められている。
デモには長崎の高校生も参加し、「世界には今なお1万2000以上の核兵器が存在しています。
でも、私が思う平和な世界に核兵器は必要ありません」と、未来を担う若者としての強い意志を語った。
専門家は、このデモの意義について「核兵器問題が再び世界の焦点となる中で、市民の声がどれだけ政治に影響を与えられるかが問われている」と分析している。
冷戦終結後、一時は核軍縮の流れが進んだものの、近年では各国の核開発競争が激化しており、むしろ核の脅威は増している。
特に、ロシア・ウクライナ戦争や北朝鮮の核実験問題、中国の核戦力増強など、世界の安全保障環境はますます不安定化している。
今回のデモは、核保有国に対して改めて国際社会の声を突きつける重要な機会となるが、現実的に核軍縮がどこまで進められるのかは依然として不透明であり、核廃絶への道のりは険しいままだ。