NASA宇宙飛行士ブッチとスニ、9か月の宇宙滞在を経て地球帰還

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NASAの宇宙飛行士ブッチ・ウィルモアとスニ・ウィリアムズが、9か月間の宇宙滞在を経てついに地球へ帰還した。
彼らの帰還は劇的なものであり、スペースXのカプセルが大気圏に突入し、4つのパラシュートが開いてフロリダ沖に無事着水した。
救助隊が到着するまでの間、カプセルの周囲にはイルカの群れが泳いでいたという。
宇宙船が回収されると、ウィルモアとウィリアムズは笑顔で手を振りながら姿を現し、乗組員のニック・ヘイグ宇宙飛行士やロシアのアレクサンドル・ゴルブノフ宇宙飛行士とともに支援を受けながらカプセルを後にした。
NASAの商業有人宇宙飛行プログラムの責任者スティーブ・スティッチ氏は、記者会見で「クルーは皆元気だ」と述べた。
このミッションは本来わずか8日間の予定だったが、技術的な問題によって大幅に延長された。
彼らは当初、ボーイング社が開発したスターライナー宇宙船で帰還する予定だったが、機体の安全性が確保できず、地球へ戻すのは危険と判断された。
その結果、スターライナーは2024年9月に無人のまま地球へ帰還し、ウィルモアとウィリアムズは代替手段を待つことになった。
NASAは、9月末にISSへ到着したスペースXのカプセルを利用することを決定し、彼らの滞在はさらに6か月延長された。
予期せぬ長期滞在にもかかわらず、二人は積極的に科学実験や船外活動に取り組み、ウィリアムズは女性宇宙飛行士としての船外活動最長時間記録を更新した。
クリスマスにはサンタ帽とトナカイのカチューシャをつけ、地球へ向けたメッセージを送るなど、士気を高める工夫も行われた。

一部では「宇宙に取り残された」と表現されたが、NASAは一貫して「彼らが本当に孤立していたわけではない」と強調している。
ISSには常に帰還用の宇宙船がドッキングされており、緊急時には帰還できる体制が整えられていた。
無事に帰還した二人は、今後ヒューストンのジョンソン宇宙センターへ移動し、医療チームによる検査を受ける予定だ。
長期間の宇宙滞在は人体に大きな負担をかけ、筋肉の萎縮や骨密度の低下、血液循環の変化などの影響を及ぼす。
そのため、彼らは重力環境に適応するためのリハビリプログラムを受けることになる。
イギリスの宇宙飛行士ティム・ピーク氏は、地球に戻る際の困難について説明し、「宇宙では無重力環境のおかげで体はとても楽に感じるが、地球の重力に適応する最初の2、3日間はとても厳しいものになる」と語った。
ウィルモアとウィリアムズは、長い宇宙滞在中も地球への帰還を楽しみにしていた。
ウィリアムズは先月のCBSのインタビューで、「家族や犬に会いたいし、海に飛び込みたい。
それができるのは本当に嬉しい。
地球に戻り、地球を感じることができるのは最高だ」と語っていた。